私は横断歩道の前で、息をととのえた。




 名無しさんを追って、5年後に帰らなくちゃ!




 名無しさんは、もうすでに横断歩道の中間地点を越えていた。


 信号があの日のように、チカチカと点滅し始めていた。




 名無しさんを追いかけるときって、いつもこういうパターンなのね。




 さあ、行こうっ!!




 名無しさんは、ちらりと私を見ると、小走りで向こう側に渡った。


 私はもう一度、息をととのえると、横断歩道に踏み入れた、そのときだった。





 プップッ─────!!!