「そろそろ来るころだ」 と、名無しさんはボソッと言うと、横断歩道を渡りはじめた。 そろそろ来る? なんのことやら? 私は横断歩道に踏み入れる前に、くるりと後ろを向いた。 「カイ、またね」 と、私は笑顔でそう言うと、手を振った。 カイはうなずくと、一言だけ言った。 「ああ」 カイ、5年後… ほんとに会える? 私、信じてるね!