私は腕を組むと言った。

 「ここに連れて来たということは、またあなたを追いかける、そういうことなのね?」





 私は、名無しさんを追って5年前に来たとき、トラックにひかれそうになったときのことを思い出した。


 あのとき、カイがいなければ私は…




 私は、隣にいるカイをちらりと見た。





 名無しさんは、しっぽをフリフリさせながら言った。

 「そうさ。あいにく、俺には簡単に過去や未来を行き来する力はないんでね…」




 私はじろりと名無しさんを見ると、

 「ちょっとまってよ。また私を殺す気なの?」

と、私はそう言うと、名無しさんの首をしめた。




 「…ぐわ…っ」

と、もがく、死神。