そんななか、人込みに紛れて横断歩道を渡ってくる、一匹の黒猫がいた。 一目見て、私はその黒猫が名無しさんであることがわかった。 名無しさんは、ゆっくりと歩み寄ってくると、こう言った。 「さあ、5年後に帰ろう。2009年7月9日(木)の夕方に」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆