カイは、眉間にシワを寄せると言った。 「はっ!? なぜ、俺の記憶も…って、その死神に聞いてくれ」 「あ、あのね…、今回、代償として払う記憶がほんのちょっとなわけよ。私ひとりの記憶じゃ、割りに合わないからだって。そう言ってます、はい…」 と、私は名無しさんの代弁を務めた。 名無しさんは、私の横で小刻みにうなずく。 カイは、息をつくと言った。 「わかったよ。で、なんの記憶?」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆