カイは、眉間にシワを寄せると言った。

 「はっ!? なぜ、俺の記憶も…って、その死神に聞いてくれ」





 「あ、あのね…、今回、代償として払う記憶がほんのちょっとなわけよ。私ひとりの記憶じゃ、割りに合わないからだって。そう言ってます、はい…」

と、私は名無しさんの代弁を務めた。




 名無しさんは、私の横で小刻みにうなずく。






 カイは、息をつくと言った。

 「わかったよ。で、なんの記憶?」







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