ドクン、ドクン…


 自分の鼓動を確認しながら、体を起こした。





 「クククッ! つくづく運のいい奴だな」

と、突然、名無しさんが私の目の前に現れた。




 「…私、死んだの?」

と、私は頭がもうろうとする中、名無しさんに聞いてみた。





 「なら、自分の目で確かめるんだな」





 一体、なにが起きたんだろう…




 私の手足は、すり傷だらけだった。


 草がクッションになってくれたおかげで、これくらいのケガだけですんだんだ。




 私は、のっそりと土手を上がっていく。


 そして、私が目にしたものは、信じがたい光景だった。