そう喜んでいた、やさきのことだった。


 11歳の私の額には、名無しさんがつけた黒星が残っていることに気づいたのは。






 私は息をのんだ。


 私の場合は確か、パパの死と引き換えに印は消えたと言っていた。




 過去を変えてしまった今、あのコの黒星はどうなるの?






 …印は消えない。


 自分が死ぬか、誰かが自分の犠牲になるまで…






 「クククッ! そのとおりさ。でも、正確には“おまえたち”と言ったらいいのか?」

と、名無しさんがゆっくり私のもとへと歩いてきた。





 …私たち?