私は口が半開き状態のまま、目を丸くしてパパを見た。
パパは真っ直ぐな目で、私をじっと見つめると、私のその表情からなにかを察したのか、パパは確信したかのように、こう言った。
「よし、私たちも行こう!」
私はうなずくと、パパといっしょに駆け出した。
《…クククッ! どうやら、俺の勝ちのようだな。あばよ…》
えっ?
私は、はっとして名無しさんを見ると、名無しさんはにやりと不気味な笑みを浮かべ、スッと消えてしまった。
それと同時に、どこともなく聞こえていた鈴の音もプツンと途切れた。
ゴォ─────…!!
…なにこの音?
私は胸騒ぎがし、ふと横を見ると、国道から白い乗用車がものすごい勢いで走ってきた。