《クククッ! 簡単なことさ。おまえは、あの日、自分が死ねばよかったと思ってきたんだろ? もしかしたら、母親もそう思っているんじゃないかって。俺は、おまえのその願いを叶えてやろうとしているのさ。…そういえば、おまえ、おもしろいことを心の中で叫んでなかったか? “パパを失いたくない。パパを失うくらいなら、私が…”って。クククッ…》





 私は息をのんだ。


 それは、今日の午前中、これから起こる運命を見届ける勇気がなかった私が、心の中で叫んだものだった。





 《クククッ! おまえには5年という、長い長い時間を与えてやったんだ。もう思い残すことはないだろう? 記憶は取り戻したし、大好きなパパとは会えたし…》





 …今は違う!


 違う、違う、違うっ!!





 私は、パパが救ってくれたことに感謝している。




 だから、私は…!!