「へ? なんだよ、今ごろ気づいたのかよ。俺だって、あんたと同じように透けてるだろ? カ・ラ・ダ」
「えっ……」
よく見てみれば、自分の体が透けていた。
手も……、
足も────……、すべて。
うそでしょ。
私も、あの半透明な人たちの一員!?
「落ち込むなよ。この体、けっこう便利なんだぜ。生きている人間にはもちろん、建物だって通り抜けられる。なんだって、と言いたいところだが、同じ仲間には無理だ」
「もう、なにがなんだか……。あなたも“フユウレイ”とかいう霊なわけ?」
「へ? あ、俺の場合はちょっと違うかな。ワンランク上の霊っていうか、なんていうか…………」
「ワンランク上? お化けって、いろんな種類があるの?」
「まーね、いろいろとね。ほら、あそこ見て」
彼に促(ウナガ)されるまま、彼の視線をたどる。