カイの話によると、《俺がなんとかしてやるよ》と、私にそう言って部屋から出ていった後、ミナミさんの部屋に行ったらしい。


 ミナミさんに人生相談を持ち掛けたところ、《今までの行いを反省しなさい》と怒られた上に、あれこれボロくそに言われ、相談どころか長々と説教されたそうだ。






 練習どおりというのは…


 カイが真剣なまなざしで、私をじっと見つめると、

 『初樹、彼女と別れてすぐなのに、こんなこと言うのは不謹慎(ふきんしん)だとは思う…。おまえのこと…嫌い…じゃない』

と言うと、ぱっと視線をそらし、耳まで真っ赤に染めていた。




 それを聞いた途端、私の顔もぽっと赤くなり、彼なりの精一杯の告白なんだとすぐにわかった。


 私たちはしばらくの間、目を合わせられなかった。