「あいつらは浮遊霊」

 「フユウ……レイ? なにそれ?」

 はじめて聞く言葉に目をぱちくりさせると、彼は私にわかるように説明し始めた。



 「そこら辺によくいる、ベタな霊だよ」

 「ふうん」

 「まー、いやでもそのうち覚えるさ。イタズラ好きでどうしようもねー奴らだけどさ、なかには話し相手になってくれる気さくな奴もいるんだぜ」

 「へ、へえー」

 「アンタがもしあの世にいけなくても、心配することない。あいつらがいる! 俺だっているんだしさ!」

 「……えっ?」

 「だから、俺もいるって言ってんの」

 彼はそう言うと、二カッと歯を出して、“俺、俺!”と自分をさす。




 「えぇ────っ!!─あなたもお化けなの!?」

 彼をさして、目を丸くして叫けぶ私。