私は呼吸をととのえると、あの事故のことをゆっくりと思い出した。
パパが、私の腕を力強く引き寄せた瞬間、私はその弾みで道路から転げ落ちた。
そして、その場に居合わせたバイクのお兄ちゃんが私のもとへ駆け寄ってきて…
私ははっとした。
事故直後、私が一番最初に目にしたのって、カイなんだ!!
だから、記憶の欠片(かけら)すらなかった、そういうことだったんだ。
…でも、代償として払った記憶が、どうして今頃になって戻ってきたの?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…