その声を聞いた途端、全身から、さっと血の気が引くような寒気に襲われた。


 私は恐る恐る後ろを振り向くと、そこにはすました顔の名無しさんがいた。





 名無しさんが言った。

 「クククッ! 驚いたか? この5年、ほんと辛かったぜ。死神の魔力を半分失ってしまったからな」




 魔力を半分…失った?





 首を傾げる私に、名無しさんはこう言った。

 「おまえにも戻ったのだろう、記憶が?」





 えっ?


 …おまえにも?





 私は目をぱちくりさせた。