カイはもう一度言った。

 「このノートを見るまでは。…初樹、おまえ、ほんとに5年後のあのコなのか?」





 ドクン、ドクンッと、鼓動が高鳴る。


 カイは、すべてを悟っているかのように、私をじっと見つめる。





 そして、ゆっくりとノートに視線を移すと、

 「…ゴメン。全部見ちまった。部屋に入ったら、机の上に置いてあって、はじめはミナトのものだと思ったんだ…」

と、カイはそう言うと、私はカイからノートを受け取った。





 確かに、ノートの表紙はピンクだし、ミナミさんのものだと思われても仕方がない。


 それに、ノートを机の上に置いたまま家を飛び出した、私が悪い。







 私は、ノートをぎゅっと抱きしめた。