玄関のドアを開けた途端、エプロン姿のミナミさんが目に飛び込んできた。
「初樹ちゃ~ん。ああ~、よかったぁ!!」
と、ミナミさんはそう言うと、私をぎゅっと抱きしめた。
わっ…!
あまりにも突然すぎて、私は目をぱちくりとさせた。
「初樹ちゃん、よかったぁ~。帰っちゃったかと思っちゃった」
と、ミナミさんがそう言うと、カイがミナミさんの肩に手をのせて言った。
「ったく、大げさだな。早く離れろよ」
「いいじゃない。私、初樹ちゃん大好きだし、初樹ちゃんみたいな妹ほしいし。初樹ちゃんさえよければ、ず~っとここに居てくれたっていいんだから」
「アホか」
と、カイはそう言うと、自分の部屋へと行ってしまった。
カイ?
私は、カイに元気がないことに、すぐに気がついた。