カイは、くるりと背を向けると言った。

 「なにがあったかはわからないけど、もう二度と自殺なんて考えんなよ」





 …へっ!?




 目が点になる、私。





 自殺っ!?


 …ああ、2日前のことを言っているのね。




 カイはやっぱり、私が自殺しようとして、道路に飛び出したんだと思っているんだ。


 5年後から来たなんて言ったら、頭のおかしい奴だと、絶対に思われるし…




 ここはとりあえず、《うん》って言っておこう、そう思ったときだった。






 「あのさ…、今朝のアレ、どういう意味? 《たすけて》って?」

と、カイはそう言うと、くるりと体を向き直し、私をじっと見つめた。





 私は息をのんだ。


 まさか、ここで、そのことについて触れられるとは思わなかったから。