胸が高鳴る中、さらに、思いもよらぬ言葉が私の耳に飛び込んできた。


 「初樹ちゃん、お兄ちゃんの彼女になる?」




 「はっ!?」

と、思わず声に出してしまった、私。



 またもや、カイとばっちり目が合う。




 「な~んてね! 向こうのお姉ちゃんがおっかない顔してるから、またの機会にするね」

と、カイはそう言うと、11歳の私の頭をポンポンと軽くたたいた。




 なに、5年前の私に口説いてんのよっ!!




 5年前の私に視線を向けると、顔を真っ赤にしてうつむいていた。






 …なんか、まんざらでもないみたい?


 まさか、カイにほの字っ!?