なんだか、ちょっぴり運命を感じちゃうような…
私は、カイをちらりと見た。
すると、カイは11歳の私に、こう尋ねていた。
「そういえば、君の名前聞いてなかったよね? 名前なんていうの?」
それを聞いた途端、私は一瞬ドキッとした。
そして、もうひとりの私に、ゆっくりと視線を向けた。
11歳の私は、頬をほんのり赤く染めると、こう答えた。
「初樹だよ」
カイは目をぱちくりさせると、
「…え? はつ…き?」
と言うと、ぱっと私に視線を向けた。
カイとばっちり目が合った瞬間、私はぱっと目を反らした。
なんで、こっちを見たの?
まさか、私だって気づいた?