「パ…」
と、私が意を決して言おうとしたときだった。
「ははは。なに言ってるんだろうな。そんなこと言うなんて」
と、パパがまたもや頭をさすりながら言った。
パパは、恥ずかしそうに笑っていた。
笑うときにできるパパのえくぼが、なんとも言えないくらい、私は好き。
結局のところ、私は言うタイミングを逃してしまった。
たとえ言えたとしても、パパは信じてくれただろうか?
気がつくと、パパは私に、優しく微笑みかけてくれていた。
でも、私は心から笑うことができなかった。
なぜなら、その笑顔を見るのが最後だと思ったから…