パパは頬を赤く染めると、頭をさすりながら言った。

 「こんな長々と、おじさんの話に付き合わせて悪かったね」




 「え…、あ、そんな…!」

と、私はうまく言葉が出なくて、頭を振った。






 そして、そのとき、思いもよらぬ言葉をパパが発したのだ。

 「それにしても不思議だ。なぜだかわからないが、君が他人のような気がしない」





 えっ…




 私の胸が、ドクンッと高鳴った。





 もしかしたら…!





 私がここで、《初樹だよ》って言えば、パパは信じてくれる?