パパとママの馴れ初めについては、なんてロマンチックなんだろうと、私は胸をときめかせながら聞いていた。





 パパとママは小学校がいっしょで、パパは小学校卒業と同時に、お父さん(私にとっては、おじいちゃん)の仕事の都合で引っ越したそうだ。


 そして、高校を卒業してしばらく経った頃、乗り合わせた電車の中で、ママと再会したんだって。





 私は、このときはじめて、パパとママが同じ小学校だったということを知った。







 私は目を輝かせながら、パパに聞いてみた。

 「どっちが先に声をかけたの?」




 先に声をかけたのは、ママなんだって。


 お互いに目が合ったとき、パパは驚きのあまり、声がでなかったという。





 ふたりは、それがきっかけで交際がはじまり、2年後にはゴールイン。


 プロポーズの言葉は、いたって普通の《結婚してください》。





 しかも、これを言ったのが、ママだと知ったときには、目が飛び出るくらい驚いた。