ゆるやかに流れる、川のせせらぎを耳にしながら、穏やかな時間は流れた。
11歳の私が、《きゃははは》と声高らかに笑い、チョコとフリスピーで遊んでいる。
私は、このなつかしい光景を見て、過ぎ去りし日々を恋しく思った。
そんななか、パパが言った。
「…君は、なにか気に病(や)んでいることでもあるのかい?」
…え?
胸にズキンッと刺さったかのようだった。
「きのう、目に涙を浮かべていたものだから。…そして、今日も。なんだか、浮かない顔をしている。なにかあったのかい?」
と、パパはそう言うと、悲しげなまなざしで私を見ていた。