パパが、空を眺めながら言った。

 「《初樹》という名前はね、私がつけたんだよ」




 えっ!?



 私は目を丸くすると、パパを見た。




 知らなかった。


 私の《初樹》という名前、パパが付けてくれたんだ。





 パパは続けて言った。

 「初めての子だったからね、樹木のように力強く生きてほしいと願いを込めて、《初樹》」





 樹木のように力強く…


 そんな思いが込められていたとは…





 パパが付けてくれた、大切な名前。



 私、《初樹》という名前が、前よりもいっそう好きになったよ。




 パパ、ありがとう。






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