「…カギ?」
カイに家のカギを渡され、きょとんとする、私。
カイが言った。
「ミナトは部屋にいると思うけど、もし外に出るようだったら、カギかけて。カギは、外のポストに入れてくれればいいから」
「うん、わかった。カイ、どこか行くの?」
カイは、しばらくの間黙っていたけど、静かに答えた。
「…彼女の家」
そう聞いた途端、私の心がズキンッと、トゲが刺さったように痛んだ。
この痛みはなに?
カイに《服に着替えるから》と言われ、私は部屋から出ると、部屋から出た途端、怪物のようなものすごい音が聞こえてきた。