…そういえば、今何時なんだろう。





 部屋をぐるりと見回すが、カイの部屋には時計らしきものがなかった。



 そのかわり、勉強机の上にある、卓上カレンダーに目が留まった。





 私はベッドから降りて、卓上カレンダーを手に取ると、そのカレンダーにも赤丸がついていた。






 …7月9日。



 カイにとっては、なんの日なんだろう。






 まさか、両親の結婚記念日?


 それとも、ミナミさんのちょっとした記念日?






 「…一体、なんの日なんだろう?」

と、私はつぶやくと、その答えは簡単に返ってきた。






 「彼女の…誕生日」





 えっ?





 後ろを振り向くと、カイが起きていた。