ミナミさんは、その後すぐに出掛けた。



 出掛けるまで、ちょっと騒がしかったけど…ね。





 女のときのミナミさんと、男のときのミナトさんとでは、あまりにもギャップがありすぎて、私はあぜんと見ていた。





 毎週土日、夜の10時から深夜2時まで、駅前のビデオショップでバイトをしている、ミナミさんは、今日に限って忘れていたようだ。



 思わぬハプニングで…といったところだろう。





 気づいたときには、もう遅く、10時を回っていた。


 『やべぇ、遅刻だっ!! カイ、バイクのキー貸せっ!!』

と、ミナミさんは興奮状態だと、話し方や声が男のときのミナトさんに戻るらしい。




 というよりも、ミナミさんがバイクに乗れるということに驚いた。