「大丈夫か?」




 へっ!?




 一瞬、心臓が止まったかのようだった。




 「大丈夫か、初樹?」

と、カイがそう言うと、ゆっくりと体を起こした。




 私は息をととのえながら、《なぜ、いるの?》と目で訴えると、カイはこう答えた。

 「ここ、俺の部屋」






 …えっ!?





 私は、きょろきょろと見回す。




 グレーのカーテンのすき間から、日が射し込む。




 入口のそばには勉強机と本棚、部屋の中央にはテーブル、掃除が行き届いたこの部屋は…






 そう、カイの部屋だった。