『初樹っ!!』




 再び、パパの声が聞こえると、腕をグイッと引き寄せられた。





 ドカッ!!!





 次の瞬間、鈍い音とともに、急ブレーキ音が響く。




 11歳の私は、道路から転げ落ち、青々と茂る草むらの中にいた。






 『おいっ、大丈夫かっ!?』

 目を開けて、すぐに飛び込んできたのは、あのバイクのお兄さんだった。




 そして、チョコが吠える声。




 頭がもうろうとする中、私が目にしたものは…!!







 「……はっ!!」

 ガバッと飛び起きる、私。





 呼吸が乱れ、荒い息をととのえる。






 …なんで今頃、あんな夢を?