カイが言った。

 「こいつは周防港(すおう みなと)、俺の兄貴。3年前まで歴とした男だったが、突然姿を消して、女になって現れた。《ミナミ》は、兄貴が勝手に名乗ってるだけ。戸籍上はまだ男」







 お、男っ!?






 頭の中で、名無しさんの笑い声が響く。

 《クククッ。奴は、ニューハーフなんだとよ》





 ニュ、ニューハーフッ!?





 私は、口をあんぐりと開ける。





 男、男、男…





 私の頭の中で、《男》という文字がグルグルと回る。






 ミナミさんは、申し訳なさそうに私に言った。

 「初樹ちゃん、隠しててごめんね。びっくりしたよね?」








 そんなぁ…



 穴が有ったら入りたい…





 お風呂、いっしょに入っちゃったじゃないっ…







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