ミナトってだれっ!?




 私はふたりに目で訴えるものの、ふたりの視界には私は入っていなかった。





 ミナミさんは、目をぱちくりさせると、

 「あれぇ、わかっちゃった? まさか、あんな大事(おおごと)になるなんて…」

と言うと、苦笑いする。




 「どーしてくれんだよっ! 彼女、電話にも出てくれねぇじゃんかっ!!」




 「別にいいじゃない。もともと、こじれてたわけだし。いっその事、別れちゃいなさいよ。そうよ、そうよ、そうしなさいって」




 「はっ!?」

と、眉間にしわを寄せる、カイ。 




 ミナミさんは、にっこり笑うと言った。

 「もともと、だれが悪いの? 二股なんか、かけてたりするから悪いんじゃない」




 「なっ…!」

と、言葉につまる、カイ。






 ほんとに、浮気してたんだ。


 二股なんて、サイテーッ!!






 次の瞬間だった。


 「ちょっと顔がいいからって、調子こいてんじゃねぇぞっ、こらぁ───っ!!」





 えっ!?


 …ミナミさん?