「はぁ~」
隣でため息をもらす、ミナミさん。
「あのぅ、どうかしたんですか?」
すると、ミナミさんはにっこりと笑うと、
「いやぁ~、どこの会社もパソコン、パソコンって書いてあってねぇ~」
と言うと、求人票に書かれている条件の欄を指さした。
《パソコンが使えること》か…
「ミナミさんって、もしかして、パソコン使えないんですか?」
ミナミさんは、目をぱちくりさせると言った。
「うわっ、ズバッて言うわね」
あっ!
私、なんて失礼なことをっ!
顔から火が出そうっ!!
「ごめんなさいっ!」
ミナミさんは頭を振ると、
「いいの、いいの。そうなの、まったく使えないの。どうせ働くなら、事務系がいいかなぁって思ったんだけど、なかなか厳しいわ」
と言うと、舌をだした。
へえ、ミナミさんて、
けっこう、さばさばとした性格の人なんだ。