そのきれいな女の人は《ミナミさん》といって、カイのお姉さんだった。
白のフリルエプロンを着た、ミナミさんが手を広げると言った。
「さあ、初樹ちゃん、召し上がれ~」
目の前に出てきたのは、チキンカレー、ポークソテー、ロールキャベツ、ポテトサラダ、どれも手の込んだ料理だった。
「うわぁ~、こんなに? おいしそう。ミナミさん、きっといい奥さんになれるね」
すると、ミナミさんは私の手をがっしりとつかむと、
「え? え? え? ほんとに?」
と、目をきらきらと輝かせながら言った。
「え、あ…、うん。も、もちろんですとも!」
「初樹ちゃ~ん、ありがとぉ」
と、ミナミさんはそう言うと、私をぎゅっと抱きしめた。
えぇ────っ!?
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