誰っ!?
私は目をぱちくりさせた。
サラサラのロングヘアー。
グレーのスーツをビシッと着こなす、背の高い女の人。
「さっきから、ずっと見ていたのよ。いつ押すのかって」
と、そのきれいな女の人はそう言うと、カツカツとヒールの音を鳴らしながら、ゆっくりと歩いてきた。
その人が歩くたびに、スカートのすそが揺れ、細い足をのぞかせた。
うわぁ~、モデルさんみたい。
なんか、カッコイイ…
って、ときめいてる場合じゃないっ!!
すると、そのきれいな女の人は、私の前でピタッと止まると、私の顔をまじまじと見はじめた。
「あ、あのぅ…」
パンッ!
そのきれいな女の人は、手をたたくと言った。
「もしかして、きのう、カイが担いで持って帰ってきたコっ!?」
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