「初樹、そろそろ帰ろう」

と、パパは息を切らせながら、ゆっくりと歩いてきた。




 「え~、初樹、お姉ちゃんとまだ一緒にいたいよ…」

と、11歳の私が言った。




 「そろそろ、お昼の時間だ。ママがご飯用意してくれてるぞ」





 お昼?


 もうそんな時間なの?





 すると、11歳の私は、私の顔を見ながら、名残惜しそうに静かにうなずいた。

 「…うん」






 ママの手料理か…



 久しぶりにママの作った、ハンバーグが食べたくなってきた。




 最近は残業が多くて、スーパーのお惣菜が多かったしなぁ。