「ねえ、初樹ちゃんて、学校で《はっちゃん》って呼ばれてるでしょ?」 すると、11歳の私が目を丸くして、私を見た。 「えっ、なんで知ってるの?」 そりゃ、もちろん、《あなたは私ですから》とは言えない… 私は、人差し指を立てて言った。 「私も、あだ名は《はっちゃん》だったんだよ」 「うわぁ──、あだ名までいっしょだぁ!」 予想通りの反応。 うわぁ~、かわいい! あどけない笑顔が、なんとも言えない。