「ねえ、お姉ちゃんの名前はなに?」

と、11歳の私が聞いてきた。





 心臓が止まるかと思うくらい、ドキッとした。




 とっさの問いに、答えを用意していなかった私は、正直に《初樹》だと答えた。




 それを聞いた途端、11歳の私は目を輝かせて言った。

 「うわぁ──、漢字もいっしょなんてすご──いっ!」







 いやいや、5年後のあなただから…




 それにしても、5年前の私って、純粋でかわいい。







 ここはひとつ、私にしか知らないことでも聞いてみようかな?