ゆるやかに流れる、川のせせらぎを耳にしながら、私は11歳の私と白い花をつみ、花の首飾りを器用に作る自分を見ていた。





 「これ、ママにあげるんだ。よろこんでくれるかなぁ?」

と、うれしそうに微笑む、11歳の私。






 …ママにか。



 そういえば、ここでよく花の首飾りを作ったっけ?




 よろこんでいたママの顔を思い出す。







 11歳の私は、手をとめると言った。

 「お姉ちゃんは作らないの?」




 えっ?





 「あ、昔はよく作ったんだけど、忘れちゃったな…」





 すると、11歳の私がにっこり笑うと言った。

 「じゃ、初樹がお姉ちゃんに作り方教えてあげようか?」




 私は目をぱちくりさせた。





 まさか、5年前の自分にそう言われるとは思わなかった。


 「う、うん」








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