11歳の私が目を丸くして、その光景を見ていた。




 パパが、ゆっくりと歩いてきた。

 「いや、これは驚いたな。チョコは、私と娘にしか、なついていなくて」





 …そう。


 チョコは、なぜかママには、なつかなかった。







 パンパンッ!



 パパは、手をたたくと言った。

 「さあ、チョコ。散歩にいこう!」




 すると、チョコがちょこちょこと可愛らしい足どりで、パパのほうへと向かった。





 やっぱり、パパが一番好きだったんだろうなぁ…