「はい」

 カイに、ヘルメットを渡される。




 へっ?




 目をぱちくりさせる、私。




 カイは、バイクにまたがると言った。

 「早く、乗って乗って」





 …え……



 バイク?





 一瞬、表情が固まる、私。





 「おい、早く乗れよ」





 やだ。


 やだ。




 バイク事故で死ぬような奴のバイクになんか、乗りたくないっ!






 私は指をさして言った。

 「の、乗れって、そのバイクに?」







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