「初樹ちゃん、僕は君のいいお父さんになれるよう努力するよ」

と、西園寺さんはそう言って、私の前にスッと手を差し出した。



 お父さん?



 「……お父さんは二人もいらないっ!」

 気づいたときには、もう遅かった。

 西園寺さんの手を振り払っただけでなく、感情的になって思わず口走っていた。