チクタク…



 チクタク…





 赤い秒針が、時を刻む。





 …まさか




 私、本当に




 5年前に来ちゃったのっ!?





 隣で、カチカチという音が聞こえてきた。



 私はふと横を見ると、カイ似の彼が、私をちらちらと見ながら、ケータイをいじっていた。




 …そうか、デートッ!




 「ご、ごめん、私…っ!!」

 私はぱっと立ち上がった。




 カイ似の彼は、目を丸くして私を見る。




 私は吸い込まれるように、彼の目をじっと見つめた。





 まって…






 ここが、5年前なら…




 彼は───…







 「…カイ?」

と、私の口からぽつりともれた。