私は、固定電話を見つめた。




 心臓がドクンドクンと、異常なほど打っていた。





 私は、再び息をととのえた。




 体が震えている。


 こんなに震えるのは、なぜ?





 カイ似の彼が、隣でまたもや不審の眼差しで私を見ていた。





 私は恐る恐る手を伸ばし、受話器を耳元にあて、再び震える指先で、1つずつ確実に番号を押した。





 さっきのは、きっと打ち間違えよ。




 そんなはずない。



 パパのはずがないっ!




 私は、自分にそう言い聞かせた。