白い壁に掛かっている時計が、チクタクと時を刻む。




 私はソファーに座って、赤い秒針がチクタクと進むのを目で追う。



 秒針を耳にしながら、ゆっくりと目を閉じると、浮かんだのは、頬を赤らめ、恥ずかしそうに笑みを浮かべる、ママの顔だった。






 …ママ。


 きっと、心配してるよね。




 無断外泊なんて、今までしたことなかったし…






 でも、ママにどんな顔をして会えばいいんだろう…