私は、掃除が行き届いた部屋の中をぐるりと見回す。 部屋の主は、いないみたいね。 私は、ベッドから降りると、壁に掛かっているカレンダーに目が留まった。 きのうの日付に、赤丸がついていた。 7月9日… …金…曜日… 私は目をぱちくりさせた。 「きのうって…、金曜日…だっけ?」 私は、自分の問いかけに首をかしげた、そのときだった。 部屋の外から、だれかが話している声が聞こえてきたのは。