《ああ、そうだ。一度は死んだんだ。怖いことなんてないだろ? 別にいいんだぜ、追いかけなくても。おまえが選ぶ道なんだから》




 私が選ぶ…




 パパの顔が、一瞬頭をよぎった。




 …パパ。




 そうだ、パパに会えるっ!


 パパに会えるんだっ!!





 《クククッ。気持ちは決まったようだな。さあ、さっきと同じように俺を見つけて、追いかけるんだっ!》




 追いかける…


 あの日の記憶を取り戻すために!




 ぽっかりと空いた、あの日の記憶を…


 私には、知る権利がある。




 パパが、私の身代わりに死んだって!


 本当はあの日、死ぬのは私だったって!





 5年前に行くんだっ!!!


 行って、記憶を埋めるんだっ!!!