「莉緒ー!次、体育だから早く着替えてグランド行こー」
「ほーい」


キーンコーンカーンコーン―――


授業始まりの鐘。
校舎側から誰かが息を切らして走ってくる。

「よぉ、莉緒」
この子は、幼なじみの神田 菜々莉。男混じりの性格で、言葉遣いも荒い。でも、一緒に居て楽しい人。
「よぉ…。てか、さっきも会ったよね」
「あ、そうだったな」


「今日は長距離やるよー」
先生が言った瞬間、
「えー」「うそぉ」「めんどくさーい」
みんな、声を揃えて言った。



「もー、疲れたんだけど」
琉未が、死にそうな顔であたしに訴える。
「あたしも疲れたー」
今、長距離を走ってる最中(泣)。

「石橋、相川!あと800mだから頑張れー」

うるさいよ、せんせいー!


「やっと終わったー。あたし、マジで倒れそうだった」
「あたしなんか、倒れるどころじゃなかったよ」