砕かれた脚
もぎ取られた腕
動かない
あなたに向かう心は静かに凍りついた

一度芽生えた猜疑心は
どんなに上書きしようとしても
じわじわと染み出して
この胸をどす黒く塗り潰そうとする


つまづいたのはわたし
後ろを向いたのはわたし
振り向かないのはあなた
二人の距離は少しずつひろがった

さよならと手を振るの?
駆け寄って手を握るの?
それとも

壊れた欠片を握り締めたまま
傷口からボロボロと想いをこぼしながら
それでも気付かないふりをして?



ただ歩くの?





《二人は》