涙が出るほどに
悔しかった
悲しかった
はずなのに

それなのに

声も息も時も
凍ってしまったかのように


ただ
ひとことを
そのひとことを
言いたかった
それだけだったのに

それだけなのに

指も足も心も
その場にないかのように


ボクはなにも
出来なかった


今はもう
それを懐かしむことで
ただ
キミに償いの詩(ウタ)を
聞こえるはずもない
詩を





《詩を》