それを見ても
心は動かなかった

ただひとしずくの涙も
出なかった

まだ
微かでもあなたへの想いが残っていると
まだ
少しでもわたしの気持ちには熱が残っていると

そう信じていたことが
霞のようにあやふやになって
何も分からなくなった

手探りで探すあなたの
かつて大好きだった
あの笑顔すら───



そして今

テーブルの上の銀色は
硬質の輝きを放ち
わたしの心を冷たく跳ね返すのだ

永遠に





《シルバー》